Rating:
Date added: 5.1.2015
467 160
FB2PDFEPUB
「私は今どこにいて、どこに行こうとしているのだろう」目的を持って入ったはずの大学での日々を淡々と過ごしながら、主人公は迷っていた。そんな中、参加した教授のパーティーで出会った、穴の開いたような不思議な男、深淵。教授と彼は、「枠」という概念を使い、人間の根底にある心、思考の方式、認識、思いの方式を表し、因果律の欠点までも、さも簡単そうに会話している。はっきりとしない自分の求めるもの。そして、中身の見えない深淵への好奇心から、彼や彼の友人たちと関わっていく。More「私は今どこにいて、どこに行こうとしているのだろう」 目的を持って入ったはずの大学での日々を淡々と過ごしながら、主人公は迷っていた。 そんな中、参加した教授のパーティーで出会った、穴の開いたような不思議な男、深淵。教授と彼は、「枠」という概念を使い、人間の根底にある心、思考の方式、認識、思いの方式を表し、因果律の欠点までも、さも簡単そうに会話している。 はっきりとしない自分の求めるもの。そして、中身の見えない深淵への好奇心から、彼や彼の友人たちと関わっていく。 今まで捉えていた現実世界とは異なるものを、驚きながらも受け止めようとしていた矢先、異国で行方不明になった友人たち。彼らを追って、まだ見ぬ何かを求め、主人公は未知の世界へと旅立っていく。 事件はネパールで展開されていた。そこで出あう少女、そこに生きる人たちの現実に巻き込まれ、自分の「枠」を超えて、肌を通して感じ取っていく主人公。それは現実のありのままそのもので、現実に生きる自分そのものであった。 枠を外し、人の世界を超えて、その先にあったものは。 Kamikazaritomirukuthi by Yamada Hiroyuki